大判例

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大阪高等裁判所 昭和25年(う)2170号 判決

論旨は本件においては公共の危険の発生はないと主張する。刑法第百十六条第二項にいわゆる公共の危険を生ぜしめたときは火を失して自己の所有に係る第百九条の物又は自己若くは他人の所有に属する第百十条の物を焼き因て第百八条及び第百九条の物に延焼せんとしその他一般不定の多数人をして生命身体及び財産に対して危害を感ぜしむるにつき相当の理由を有する状態を発生したことを云い、公共の危険の発生を以てその犯罪の構成要件としているのであるから、判決に公共の危険の生じたことを証拠により認め、この事実を具体的に判決しなければならないのである。ところが原判決は「因つて公共の危険を生ぜしめた」と判示するに止まり、その法律的判断の根拠となるべき事実を少しも具体的に判示していないし、原判決挙示の証拠の内容を検討しても公共の危険発生の具体的事実に触れたものは見当らないのみならず、検証調書については公判期日において刑事訴訟法第三百三条による証拠調がなされていないのである。それゆえに原判決は理由不備の違法と訴訟手続の法令違反があつて破棄を免れない。

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